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2007.02.23 (Fri)

その母の最期の目は

「その母の最期の目は、私の思想をすっかりひっくり返してしまった。私を生み、育て、私を愛し続けた母が、別れに臨んで私を見つめた目は、『お母さんは死んでも、霊魂は隆ちゃんのそばにいつまでもついているよ』と確かに言った。」(『ロザリオの鎖』)


大学に入ると隆は、医学を一所懸命に勉強しました。

隆は高校生のときから、唯物論のとりこになっていました。唯物論とは、この世には物質しかなく、心や霊魂といわれるものは脳の働きにすぎないという考えです。

大学では、いきなり死体の解剖を習い、これが人間の本体だと教えられます。
そのため、隆はあたりまえのように人間は物質にすぎないと思いこみました。

そして、科学があればどんな問題でも解決できると考えました。

ところが、大学三年の春休み、そんな隆の考えをまったくひっくり返すできごとがおこります。

「ハハ、キトク。」

母親が病気で倒れたことを知らせる電報が、とつぜん届いたのです。

隆は、すぐに列車にとびのり、ふるさとの島根県飯石郡飯石村(現在は雲南市三刀屋町)に帰ります。

重病の母は、亡くなる寸前でした。
隆がまくらもとに駆けつけたときには、まだ息があり、じっと隆の顔を見つめた後、しばらくして亡くなりました。

このときの母の目が、自分を変えたと、後に隆は書いています。

このときから、隆の霊魂に対する考えがかわりました。

肉体はほろんでも、人間の霊魂はほろびることはない。
そのことを隆は母親の臨終からさとったのです。

ロザリオの鎖 / 永井 隆
EDIT  |  06:42  |  永井隆博士  |  TB(0)  |  CM(0)  |  Top↑

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